山寄り(つかみ寄せ)のポイントは?

[Q]
某盆栽誌に『細幹・山寄り』という盆栽の紹介がありました。初めて見る樹形ながら従来の小品の『太さ』の追求に少々違和感を感じていた筆者にとって「成程!」と思わせる自然な納得性の高いものでした。
 これは一見『寄せ植え』のように見えますがもっと柔らかく繊細な感じで誠に風趣のあるものです。
 特色は『細幹の維持』にあります。これらの実生苗を使って『細幹・山寄り』にチャレンジしたいと思います。
 そこで、なんとか先生よりこの作り方のポイントをご教示いただけたらと思います。
 また筆者の手許にある実生苗(いずれも昨春発芽したもの)は次のようなものです。
コナラ、ブナ、カエデ、モミジ、クロマツ、カリン、アカシデ、クマシデ、ケヤキ、カシ、クスノキ、ハナズオウ、カンツバキ等。


[A]
たいへん良いところに目をつけられたと思います。

 「山寄り」というのは「つかみ寄せ」とお考えください。実生苗や挿し木苗を数本〜数十本根もとをつかんで植える方法です。植える時に多少の間隔の調整をするくらいで寄せ植えのような高低や太細の出入りなど特に考えず植え込みます。
 大抵同年の実生苗や挿し木苗ですから、太さや樹高は同程度。時間をかけて長短や流れをつくり出していきます。
鉢の大きさに合わせて本数を植えますが、単幹と異なり、植え付け後すぐに集合美として楽しめます。浅鉢に植えれば楽しみながら持ち込めるというわけです。
 太らすことが目的ではありませんので、肥料は控えめにやせづくりが良いでしょう。
お手許にある実生苗はどれも可能と思いますが、特にカリン(実生)、アカシデ、クマシデが有望でしょう。