松柏のミニ盆栽

クロマツ、アカマツ、ゴヨウマツ、シンパク、トショウ、エゾマツ、スギ、ヒノキなどの常緑樹やカラマツ、メタセコイヤなどの落葉樹を総称して松柏と呼んでいます。いずれもミニ盆栽にできますが、仕立てのポイントを説明してみます。


■タネからつくる

クロマツ、アカマツ、ゴヨウマツ、カラマツは実生からつくります。3月頃タネまきすると4〜5月に発芽します。草のような苗からやがて針葉が出た時には驚きます。1年たてば木質化し、少しずつマツらしくなってきます。

■挿し木からつくる

シンパク、トショウ、エゾマツ、スギ、ヒノキは挿し木からつくります。春、新芽が伸び出す前に前年伸びた枝を挿しますが、五〜六月頃まで霜や強い風を避けた場所で管理します。1年後の春に1本ずつ仕立て鉢に移植しましょう。いずれも成長は遅いので気長に生育を見守ります。

■取り木からつくる

早く骨格の良い木にしたい時は取り木が早道。6月頃、鉢植えの頂部や枝の発根させたい部分を環状剥皮します。水苔を当てて乾かないようポリ袋で包んでおくと8月下旬頃に発根が見られます。親木から切り離し、仕立て鉢に植えればもう立派な盆栽となります。

■植え替え

毎年3月中旬頃(北関東基準)が適期です。長く伸びた根を切りつめて2.5号(7.5センチ)程度の鉢で持ち込みます。用土は赤玉土7割、砂3割の混合土。1ミリ以下のミジン粉は捨てて下さい。

■肥料

市販の固形肥料1個、又は油粕の粉をひとつまみ4、5月と9、10月の4回鉢辺に置き肥えします。

■置き場と水やり

通風と日当たりの良いところが最適です。水は表土がうっすらと乾いてきたら鉢穴から透明な水が出るくらいまでたっぷり与えます。

■その他

実生や挿し木苗は太さがありません。しかし、無理に太くしようとせず、細さを生かしたつくりで持ち込みましょう。1本でたよりなければ3本、5本と寄せて楽しむこともできます。また、すこし慣れてきたら長い根を石に巻き石付きとしてとしても面白いでしょう。鉢もちょっと小さいかなと思えるくらいがつり合います。


あまり難しく考えず小鉢で気長に‥これが松柏とのうまいつき合い方です。