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春、気温の上昇とともに樹木は一斉に活動を始めます。まず、根、そして葉、やがて開花という順序ですが、中には芽を出さない木も。それらは冬の保護や秋の肥料、さらに夏の過ごし方など、四季の作業と深く関わってきます。 ■春の作業(3〜5月) 1年のうち最も忙しい時期です。ほとんどの木は休眠からさめる直前です。新芽がまだ開かないうちに植え替えをします。ここ北関東では、3月中旬で、桜前線より半月早くなります。また、保護室に入っているものは、曇った日か雨の日に戸外の棚に出します。このころはまだ多少表土の凍結がありますが、日中溶ければ心配ありません。 肥料は新芽が伸び出したものから鉢辺に置き肥えしますが、植え替えたものは半月〜1カ月後にします。 次々に伸び出す新芽も放っておけません。細い枝を維持したいときは、朝ピンセットを持って棚をひとまわり。先芽を摘んでください。 花ものはウメやオウバイにかわってヒメリンゴやカイドウが開花します。ヒメリンゴは自分の花粉だけでは結実しにくいため、カイドウの花粉をつけやります。 ■夏の作業(6〜8月) おなじみのサツキは花がすんだら剪定しましょう。ウメモドキが開花します。雌雄異株ですから雌木のそばに雄木を置いて交配させます。梅雨中の肥料は夏にかけては行いません。 梅雨が明けると、強い日が当たり、水やりが追いつかなくなります。そのために上面をヨシズか寒冷紗で遮光し、涼しく越夏させます。 雑木などの紅葉、実成りの成果は夏場の管理に左右されるといってもよいでしょう。遮光は日差しが弱くなるまでかけておきます。 ■秋の作業(9〜11月) バラ科樹種の植え替えが適期です。特にボケ類は病気予防のためにも10月上旬までにはすませましょう。 秋は木の充実期でもあります。肥料は月1回、春より多めにやってください。11月上旬の置き肥えを最終とします。 実ものが観賞期です。 ■冬の作業(12〜2月) 12月上旬の冬期消毒(石灰硫黄合剤30倍希釈液)が欠かせません。消毒した木はよく日に当て、中旬頃保護室に取り込みます。休眠期ですから、肥料はいりませんが、水やりは表土の乾きを見て続けます。 |