豊富な樹種

■街路樹をいくつ知っていますか

ふだん私たちが何気なく接している樹木は街路樹、公園、庭木、あるいは山野に見かけるものですが、その木の名前は?と聞かれると分からないことが多いものです。よく知られているのはカエデやイチョウ、プラタナス、ケヤキ、モミジ、ハナミズキ、ナナカマドウメモドキ、エンジュなどですが、10〜20本認識できればいいほうでしょう。
いまミニ盆栽として育てているものは約三百種以上あります。プラタナスも?と思われるかも知れませんが、種を拾って蒔くと発芽し、小さな鉢で嬉々としています。

■種子からいろんな樹種を知る

樹木はほとんどのものが実をつけ種子を散らします。大量に増えないのは種子の周りの発芽を抑制する皮膜のためです。種子を観察すると、果肉に包まれたもの、羽根をつけたもの、毛だらけのものなどいろいろあって面白い。
また、すぐ発芽するもの、1年あるいは数年を要するものもあります。種子から育てることを実生といいますが、子供の成長を見守るようにいろんな樹種を発芽の段階から観察できるのは楽しい。

■樹種の分け方

大きく分けると松柏、雑木、花物、実物です。
松柏はマツに代表される常緑(カラマツは落葉)を、雑木は四季の葉の美、繊細な小枝を、花物、実ものはそれぞれ花、実を観賞の対象とします。
代表的なものを挙げてみましょう。  

松柏はクロマツ、アカマツ、ゴヨウマツ、シンパク、イチイ、トショウ、ヒノキなど。雑木はトウカエデ、ヤマモミジ、ケヤキ、ブナ、アカシデ、クマシデ、ハゼ、ツタなど。

花物はウメ、ボケ、サツキ、ツツジ、サクラ、ハナカイドウ、サルスベリ、フジ、ネム、ツバキ、トサミズキ、オウバイ、エゴノキ、クチナシ、レンギョウなど。

実物はウメモドキ、ヒメリンゴ、ミカイドウ、ピラカンサ、カリン、マユミ、カキ、ムラサキシキブ、アケビ、カマツカ、グミ、ベニシタン、ザクロなど。  

ヒメリンゴやミカイドウ、クチナシ、ピラカンサ、エゴノキなどは春〜初夏の花、そして秋の実が1本の木で楽しめます。  

片手に乗る小さな鉢でも移りゆく四季の風情、花や実の華麗さ、可愛らしさを伝えてくれましょう。