No.234 2002/4/2 bk2
Re: 実生のモミジ その後







1.目的によって違いますな。
「太短い樹」を作る場合は、枝葉を伸びるままに走らせます。肥料も水も
多めに与えて、植え替えも年間2〜3回行います。伸ばした枝に続く幹が太る
わけですね。そして、次に走らせる「芯」を残して切り戻すわけです。
その「切返し」で「曲」とコケ順を作ってゆきます。いわば「骨格作り」
をするわけですな。自分の「欲しい幹径」を得るまで、それを毎年繰返す
わけです。それがご質問の前者(早く太く)の場合、でしょうか。

一方、上記とは「対照的な育て方」が後者です。強い芽を押さえ(取り去る)
「弱い芽で枝をつないでゆく」といった考え方です。葉色を見ながら
水も肥料も控えめです。ぎりぎりまで絞ること。そーすることによって、
幹は細いけれど、葉は小さく木肌は古く、樹に「迫力」が出てきますね。

前者の方法で作った樹を、ある時期から、後者で「持ち込む」。は「有り」
でしょう。

一番マズイのは、それまで後者の方法で来た素材を前者で培養法に切替える
こと。それでは、樹が若返ってしまいます。それまでの絞り切った木肌が、
パンパンのミドリ色に若返ってしまいますね。樹は元気ではありますが、
有る意味でこれも「持ち崩し」ということになってしまいますね。
長大な努力(時間)を無駄にしてしまう、といことでしょうかねー。

2.一般的に「軸きり挿し芽」は1年生の場合を指します。2年生以上の場合
は「挿木」になってしまいましょう。
1年生の直根を切り、切り口にカルスをつくり、複数の根を出す、と同時に
樹の「勢い」を押さえる(弱らせる)ことで、最初の枝分かれまでを短く
作る。という目的です。細根を多く作ることは、地場の樹冠部の枝を細かく
することにつながります。「地上部分と地下部分は相似形」とういこと
念頭におくと、年一回の「植え替え」の時は、めったに来ないチャンス
なので、「厳密な根の剪定」をお奨めする次第なんです根ー(シャレ)。

(BBS、MLなどの場合、>引用文は最低限に留めましょ〜)